酵素が世間で流行していますが、なぜ酵素を体に取り入れることで効果を得られるのでしょうか。
酵素はどういうものなのか、体にどのような働きをもたらすのか、徹底的に調査してみました。
目次
そもそも酵素とは?
酵素は人の体内で活動する物質なのですが、炭水化物やビタミンなどの栄養素とは違い、具体的にどういうものなのか少しイメージしにくいかもしれません。
酵素は「酵素学」と呼ばれる一つの学問があるほど、実に奥が深く、簡単には理解しがたい物質なのです。
酵素は化学反応を手助けする物質
人は生きるために、体の中で様々な化学反応を起こしています。
食べたものを分解したり、栄養素を吸収したり、細胞を作ったり、空気から酸素を取り出したり、病気を治したり・・・酵素はそのすべての生命活動における、化学反応を手助けしています。
酵素は化学反応を手助けする働きがあるので、人の体内で働くだけでなく、様々なところで活用されています。
例えば、ヨーグルトや納豆など食べ物を発酵させるときも酵素が活躍します。
酵素の種類
酵素は実に数千種類もあり、1種類につき1つの働きしかしません。
人の体内ではそれぞれの酵素が役割を分担しながら上手に働いています。
数千種類ある酵素も、大きく三種類に分けることができます。
- 体内に取り入れた栄養素を分解するための「消化酵素」
- 分解した栄養素を新しいエネルギーに変換する「代謝酵素」
- 自然の食材や発酵食品に含まれる「食物酵素」
です。
食物酵素のみ人の体内で生成することは出来ないので食材から取る必要があります。
酵素の働きと代謝について
数千種類ある酵素はそれぞれ役割が決まっていて、様々な化学反応の手助けをします。
例えば世界で最も古くから知られていたアミラーゼという酵素は、デンプンを分解する手助けをし、ペプシンという酵素はタンパク質の分解を手助けしています。
アミラーゼやペプシンは栄養素の分解を手助けする「消化酵素」に分類できます。人間の体内ではもう一つ「代謝酵素」と呼ばれる酵素たちが働いており、人が生きるために重要な役割を担っています。
「代謝」とは、「消化」によって分解されたエネルギーを使って細胞や新しいエネルギーを生み出すことです。
代謝の働きによってエネルギーを消費し、皮膚や内臓、筋肉や血液を作っています。
代謝の働きが強い人はエネルギーを消費しやすく、痩せやすい体だと言えます。
代謝の働きは酵素の力にかかっていますので、酵素がしっかり働いていると、それだけで痩せることも可能です。
酵素を摂取したときの効能
3つに分類した中で、体の外から取り入れられる酵素は「食物酵素」です。
食物酵素を体内に取り入れることで「消化酵素」と「代謝酵素」の働きが活性化し、さらに体内の栄養素が強化されます。
この強化された栄養素のことを私は「強化栄養素」と呼んでいます。
もちろん食物酵素を含む食材内の栄養も強化栄養素になっていますので、それを食べるだけで体にとても良いことがわかります。
では具体的に、食物酵素にどのような効能があるのか見ていきましょう。
免疫力が高まる
食物酵素を摂取し、強化栄養素を取り入れることで、体内の免疫力が高まります。免疫力とは、体内に侵入してきたウィルスや細菌を攻撃して体を守る、生物にとって非常に重要な力のことです。
免疫力が高いと病気になりにくく、病気になってしまっても治りやすいのです。
血液がサラサラになる
酵素には血液をサラサラにするという効能もあります。
多くの人は、栄養バランスの偏りや運動不足によって体内に老廃物が溜まり、血液がドロドロになってしまいます。
血液をサラサラにする働きは代謝酵素にしかないのですが、食物から酵素を取り入れることで代謝酵素の働きを活性化させ、その結果血液をサラサラにすることができます。
新陳代謝が高まる
新陳代謝とは、体の古い細胞が新しい細胞に変わる現象のことです。
傷ついたり疲労した皮膚や内臓が、新陳代謝によって生まれ変わります。
人間の体は約3ヶ月で新しい細胞に生まれ変わると言われています。
酵素が活性化し新陳代謝が高まることで体の調子が良くなり、綺麗な肌を維持することができます。
基礎代謝が高まる
人は体を動かしたり考えたり、さらには心臓を動かしたり呼吸をするだけでエネルギーが消費されていますが、これを基礎代謝と言います。
基礎代謝が高いと、何もしていなくてもエネルギーがたくさん消費されていきます。
つまり、基礎代謝が高い人は痩せやすい体だと言えるでしょう。実はこれが、酵素がダイエットに効果的な理由のひとつとなっています。
便秘の解消
酵素には腸内環境を整える働きがあり、便秘の解消になります。
便秘が解消されると効率よく代謝が進み、痩せやすい体になります。
腸内環境を整えることは、免疫力を高める働きにもつながります。
さらに腸内では体に必要な細菌がたくさん生成されていて、これが活性化することで体の様々な不調が治ると言われています。
酵素の効果的なとり方
消化酵素や代謝酵素は体内で生成されますが、食物酵素は日々の食事からとる必要があります。
食物酵素をとることで、体内の栄養素が強化され、消化酵素や代謝酵素が活性化するので、しっかりととっていきたいですね。
しかし実は、酵素は簡単にとることはできず、いろいろな条件や注意点があるので気を付けなければいけません。
酵素がとれる食べ物
そもそも酵素が含まれる食べ物は限られていて、主に生野菜や生魚と、発酵食品、そしてサプリメントや酵素ドリンクです。
野菜や果物からとることができますが、酵素は熱に弱いのでできるだけ生に近い温度で食べないといけません。
さらに鮮度も非常に大切で、時間が経つほどに酵素は食材から抜けていきます。
酵素を効率よくとるには、新鮮な野菜や果物をなるべく早く生で食べる必要があるということです。
すりおろし野菜が効果的
酵素は食べ物をすりおろすことで活性化します。
生の野菜や果物をミキサーなどにかけてすりおろしたものを食べると、効率よくとることができます。
おすすめは果物のスムージーや大根おろしです。
大根おろしはいろんな料理と合うので、是非活用していきたいですね。
生のお肉や魚に要注意
生のお肉や魚にも酵素は含まれています。
お肉はほとんど生で食べる機会がないので酵素の観点から見ると摂取は難しいでしょう。
効率よく酵素を取るには、お肉はなるべく野菜と一緒に食べるようにしましょう。
魚はお刺身として食べるか、火を通す場合は野菜と一緒に食べると上手に酵素を取ることができます。
酵素ドリンクで簡単にとる
一番簡単なのが、サプリメントや酵素ドリンクを飲むことです。
そのまま飲むだけなので、気軽に酵素を取り入れることができます。
生の野菜や果物が苦手という方も、この方法なら安心して酵素をとることができますね。